Alienware M11xは、11.6インチ液晶モニタを搭載するゲーミングノートパソコン。最新3Dゲームに対応できる高性能ビデオコントローラを搭載し、グラフィック能力と携帯性をバランス良く兼ね揃えた不思議なカテゴリのモバイルノートです。
Alienware M11xの性能をベンチマーク比較
【ベンチマーク比較 その2】 画像や動画を主用途とする、負荷が重いベンチマーク「PCMark
Vantage」
高画質写真やハイビジョン動画などマルチメディア系コンテンツに重きを置いたベンチマークソフト「PCMark
Vantage」でのスコアをご紹介します。
高画質写真やハイビジョン動画などマルチメディア系コンテンツに重きを置いたベンチマークソフト「PCMark
Vantage」を使ってAlienware M11xの性能を測定。省電力タイプのCPUを搭載しているためか、2996とそれほど高スコアではありません。
PCMark Vantageでの性能比較
比較対象 |
Alienware M11x |
Core i3 + Inspiron 15 |
Core i5 + Studio 15 |
備考 |
主なカスタマイズ構成
(CPU、メモリ、ビデオコントローラ、ハードディスク) |
- Core 2 Duo SU7300
- 2GB
- GeForce GT 335M 1GB
- 250GB(7200回転/分)
|
- Core i3 330M
- 4GB
- オンボード
- 320GB(5400回転/分)
|
- Core i5-430M
- 4GB
- RADEON HD 4570
- 320GB(5400回転/分)
|
Core i3/ii5を搭載するスタンダードノートと比較 |
PCMark Suite |
2996 |
4551 |
5073 |
総合スコア。数値が高いほど、デジタルコンテンツ系処理に強い。 |
Memories Suite |
2680 |
2654 |
3115 |
拡大/反転/回転といった高解像度画像の処理&画像ファイルのインポート処理を計測。 |
TV and Movies Suite |
1987 |
3010 |
3298 |
Windows Media CenterからのHDDアクセス&HDコンテンツ付きVC-1形式HD DVDの再生処理を計測。 |
Gaming Suite |
2825 |
3050 |
4370 |
ゲームにおけるCPUの処理&同HDDの処理処理を計測。 |
Music Suite |
3279 |
4442 |
4707 |
Webページのレンダリング,MP3形式→WMA形式のサウンドファイルトランスコード&HDDからWindows Media Playerへ音楽ファイルを追加する処理を計測。 |
Communicati Suite |
2890 |
3886 |
4370 |
データの暗号化、データの圧縮&Windows Mailのコピー処理を計測。 |
Productivity Suite |
2313 |
4028 |
4288 |
テキスト編集する処理やWindowsのファイル検索、Windows Mailの検索、Webページのレンダリング&HDDからのアプリケーション読み出しする処理を計測。 |
HDD Suite |
3844 |
2511 |
2508 |
ハードディスクの速度を計測。 |

PCMark Vantageでの性能比較。負荷が重くなると、Core 2 Duo u7300を搭載するAlienware
M11xは少し辛そう。
Windows7エクスペリエンス値ではグラフィック系スコアが高かったAlienware M11xですが、処理負荷が重いベンチマークテストになるとスコアが下降気味です。グラフィック能力以外の要素が強いベンチマークテストなので、CPUの差がモロに反映されている印象を受けます。Gamingスコアについては、上位機種のAlienware
M15が6313というスコアだったことを考えると、Alienware M11xは約半分程度でしかありません。
【参考】ハードディスクのデータ転送を計測するCrystalDiskMark
パソコンの3大パーツと呼ばれる「CPU」、「メモリ」、「ハードディスク」ですが、その中でもダントツでデータ転送速度が遅いのが「ハードディスク」です。CPUやメモリの増強は案外知られているのですが、ハードディスクについてはデータ保存容量を気にするだけで、ディスクの回転数に関心を持つ方は少ないです。
ハードディスクの回転数について
比ディスクの回転速度較対象 |
デスクトップパソコン
7200回転/分 |
ノートパソコン
7200回転/分 |
ノートパソコン
5400回転/分 |
性能 |
◎ |
○ |
▲ |
備考 |
デスクトップパソコン用のハードディスクは7200回転/分タイプが主流。ノートパソコン用ハードディスクよりもデータ転送が速い。 |
ノートパソコン用のハードディスクは5400回転/分タイプが主流ですが、高速な7200回転/分タイプもあります。上位ノートパソコンに搭載されることが多いです。 |
スタンダードノートパソコンはこのタイプが主流。転送速度は少々劣ります。 |
CPUやメモリをアップしても、ハードディスクの性能が低いと、せっかくCPUやメモリを補強してもハードディスクが足を引っ張って、”体感的な差を”感じることができません。つまり、ハードディスクのデータ転送速度が高いほどパソコンの基礎能力向上が見込めることになります。

ハードディスクの転送速度を測定するベンチマークソフト「Crystal DiskMark」におけるAlienware
M11xの結果。左列が読込速度、右列が書込速度、各列の上から連続、ランダム512KB、ランダム5KBのデータ転送速度を示します。
CrystalDiskMarkでの性能比較
比較対象 |
Alienware M11x |
Core i3 + Inspiron 15 |
Core i5 + Studio 15 |
連続 Read |
85.18 |
61.64 |
61.24 |
連続 Write |
78.44 |
60.15 |
52.23 |
ランダム512KB Read |
32.85 |
26.34 |
26.11 |
ランダム512KB Write |
43.16 |
40.28 |
37.47 |
ランダム5KB Read |
0.430 |
0.437 |
0.403 |
ランダム5KB Write |
0.916 |
1.379 |
1.395 |
※出荷時期によって違うハードディスクが搭載されている可能性がありますので、参考程度にご覧ください。
ベンチマーク結果を見てもわかるとおり、7200回転/分ほハードディスクを搭載するAlienware
M11xは、5400回転/分のハードディスクを搭載するInspiron 15と比べて高い性能を誇ります。Alienware
M11xではさらに速いSSDもカスタマイズ可能なので、性能重視の方は検討してみてください。
次ページでは3Dゲームを想定したベンチマークテスト「3DMark06」でのスコアを比較してみます。