3.2.1chは5.1chにどこまで近づけるか?
子供にジャマされたホームシアター
実は、私自身、個人的に子供が生まれる前まで簡易なホームシアターをリビングに組んでた経験があります。子供が生まれてから、ケーブルを引っ張られる、スピーカーをたたかれる、アンプの放熱部にシールを貼れて故障寸前、という災難にあってから、現在では押し入れにそっと眠らせたままですが。
その点、「BASE-V20HD」は2.1chを疑似サラウンドできるとのことなので、「このシステムが5.1chと大差なければ、ホームシアターを復活できるのでは?」という期待がありました。映画や音楽、スポーツやゲームなどの音源を「BASE-V20HD」で楽しむことだって可能です。
手軽にサラウンド環境が手に入れられる「BASE-V20HD」は魅力的です
疑似5.1chだが、完成度は高く将来性あり
で、肝心な視聴結果ですが、音は非常にクリアですし、適度に心地よい低音も伝わります。
サラウンドも左右に広がりますので、テレビ内蔵スピーカーと比べると大きく違います。(音オンチの私でもわかるレベルです)
ただ、2.1chが5.1chに聞こえるかと言いますと、厳しいですが「あくまで疑似5.1ch」でした。今まで全くホームシアター環境を構築された経験がない方であれば感動するでしょうが、素人なりにもキチンとした5.1ch環境を経験した事がある私にとっては、少し物足りなさも感じました。
厳しく言い過ぎたのでちょっとフォローしておきますが、当然、「BASE-V20HD」はテレビ内蔵タイプのスピーカーでは出せない臨場感と豊かな低音域を味わうことができます。これだけコンパクトなシステムサイズで5.1chに近いサラウンド体験できる点は、音響メーカーならではと評価できます。
オンキヨー技術者の方いわく、
「当社に限らず、現在の技術レベルでは2.1chを100%近い5.1chにすることは難しい。これからの課題である。」
とのことであり、スピーカーが物理的に3つしかないので、当然といえば当然かもしれません。
ちなみに、「2.1chでは物足りない」という方は、予算に応じて5.1chまでシステムを拡張することができます。(最大7.1chまで対応可能)
ぜひ試してみたかったセンタースピーカー
映画や音楽シーンなど、セリフが主体の場面ではセンタースピーカーを追加するとセリフが安定します。「センタースピーカーを買えると、臨場感まで変わる」とおっしゃる方もいるほどです。(私にはそこまでわかりませんが)
設定の時間など色々な問題があるのは承知ですが、「今回の試聴会にはぜひともセンタースピーカーを入れて欲しかった。」というのが正直な気持ちです。センタースピーカーがあれば、今回の「BASE-V20HD」に対する印象もかなり違っていたかもしれません。
映画を視聴するなら是非手に入れたいセンタースピーカー「D-108C(B)」。オプションになるのが残念ですが、セリフにメリハリが付きますのでおすすめ。もちろんピアノブラック調仕上げです。
安価な「ホームシアターセット」との差
安価な「ホームシアターセット」と呼ばれるパッケージは、後で拡張しづらいデメリットが存在します。導入当初は安くて良いかもしれませんが、少し使って物足りなくなると、全てを再構築するハメになりかねません。
その点、「BASE-V20HD」は前述したとおり、拡張性豊かで将来性も抜群です。
あこがれのトール型スピーカーも可能。嫁さんの反対にあうのは必至ですが。
上位アンプに匹敵する性能を自負
技術者さん曰く、「BASE-V20HDは、単体の上位アンプに匹敵する性能があると自負してます!」とのことでした。
「自分好みの単体スピーカーをシステムに組み込めるように、ガチガチに固めたパッケージにはしたくなかった。将来、ずっと長く愛情を持って使い続けて頂きたい。」という、儲ける気ゼロ(?)の職人資質に心打たれました。
「BASE-V20HD」は、「5.1chもいらないけれど、テレビ内蔵スピーカーでは物足りない」という方はもちろん、「とりあえず最小限でホームシアターを導入し、将来的に5.1chまで広げたい」という方にもおすすめです。