5万円台で購入できるAMDプロセッサ搭載ノートは使えるのか?Inspiron 15 3000(AMD)
レビュー
5万円台で購入できるAMDプロセッサ搭載ノートは使えるのか?Inspiron 15 3000(AMD)
レビュー
今回ご紹介するのは、15インチモニタを搭載したノートパソコンInspiron 15 3000(AMD)(正式名称はInspiron 15 3585)のレビューです。DELLのラインナップでは数少ないAMDプロセッサ搭載ノートです。
5万円台から購入可能な激安ノートの位置付けなので、サブノートとしては使えます。(本レビューは6万円台のプレミアムパッケージです。)
New Inspiron 15 3000 (3585)(DELL公式ページ)
結論から申しますと、「SSDは速いが、その他の性能は普通。」、というのが率直な感想です。メインノートであれば、もう少し予算を追加して、中〜上位のノートパソコンを購入することをおすすめします。
(特徴その1) モニタは15インチなので、大きくて使いやすい
Inspiron 15 3000(AMD)の外観。幅:380.0mm×奥行き:258.0mm×高さ:22.7mm、重量2.18kgです。可もなく不可もなく、と言ったところ。
モニタフレームの幅は厚みがあります。激安ノートなので仕方ありません。
(特徴その2) 安価な「AMD Ryzen プロセッサ」を搭載
Inspiron 15 3000(AMD)は、安価な「AMD Ryzen プロセッサ」を搭載しています。高性能なCore iプロセッサではないのでご注意ください。
「AMD Ryzen 3」や「AMD Ryzen 5」が搭載可能です。今回の機種は、上位の「AMD
Ryzen 5」です。
Inspiron 15 3000(AMD)が搭載する256GB SSDのアクセス速度をCrystalDiskMark
6.0で計測。SSDを搭載しているので、ハードディスク搭載ノートよりは、かなり速いです。
ATTO Disk Benchmarkでも計測。安定して速いです。
(特徴その3) 安価な1366×768パネルを採用
Inspiron 15 3000(AMD)のモニタをチェック。大きくて使いやすい15.6インチ液晶ですが、他のDELLノートでは採用されなくなりつつある、低解像度の1366×768パネルを採用しています。高解像度の1920×1080でなくてOK、という方には良いかもしれません。
安価なTNパネルを採用しますが、色の変化は思ったよりも少なかったです。また、非光沢パネルなので、背面や照明の映り込みは少ないです。
(特徴その4) 安価で軽量な樹脂素材を採用
Inspiron 15 3000(AMD)のボディは、安価な樹脂素材が採用されています。
ボディを拡大。少しデコボコしている形状なので、滑りにくさは考慮されています。
Inspiron 15 3000(AMD)の天板。色は「カッパー(濃いゴールド)」です。素材はサラサラした手触りです。天板色は、「カッパー」以外にも「ブラック」、「スパークリングホワイト」、「プラチナシルバー」が選択できます。
Inspiron 15 3000(AMD)の天板を拡大。高級感はありませんが、安っぽさもないです。
DELLロゴは光沢感あり。
5万円台で購入できる15インチノートパソコンInspiron 15 3000(AMD)。
詳しくはNew Inspiron 15 3000 (3585)(DELL公式ページ)をご参照ください。
【外観】Inspiron 15 3000(AMD)の外観をチェック
Inspiron 15 3000(AMD)の外観を詳しくご紹介します。
Inspiron 15 3000(AMD)の左側面
Inspiron 15 3000(AMD)の左側面。左から、電源、HDMI、有線LAN、USB3.1 Gen1×2です。
Inspiron 15 3000(AMD)の右側面
Inspiron 15 3000(AMD)の右側面。左から、SDカードリーダー、USB2.0、光学ドライブです。最近のノートパソコンは光学ドライブが搭載不可の場合が多いですが、Inspiron
15 3000(AMD)では搭載しています。
Inspiron 15 3000(AMD)の前面
Inspiron 15 3000(AMD)の前面。接続端子はありません。
前面を拡大。天板が開けやすいように、本体が少しヘコんでいます。
Inspiron 15 3000(AMD)の背面
Inspiron 15 3000(AMD)の背面。接続端子はありません。
背面を拡大。全体的に放熱面積は広く確保されています。
Inspiron 15 3000(AMD)の底面
Inspiron 15 3000(AMD)の底面。安価で軽量な樹脂製で、放熱用のスリットが中央にあります。
中央にはinspironロゴがあります。
底面を拡大。スリットには内蔵スピーカーが搭載されています。低音こそないものの、普通にクリアな音は出ます。
Inspiron 15 3000(AMD)のキーボード
本体ボディの全景。キーボードは、19mmフルサイズかつアイソレーションタイプで、キーボード右上部に電源ボタンがあるだけのシンプル設計です。なお、Inspiron
15 3000(AMD)のキーボードは、防水設計ですが、バックライトは非搭載です。
キーボード左部分を拡大。キー配列は標準的で、一番上列のファンクションキーが少し小さいのが気になりますが、頻繁に使うキーではないので割り切りが必要でしょう。
キーボード右部分を拡大。テンキーを搭載しているのがメリットです。数値入力の頻度が多い方には良いかもしれません。
キーを拡大。タイピング感は良好で、たわみも少ないです。DELLいわく、「よく使用されるキーを1,000万回打鍵し、問題がないことを確認しています」とのこと。
キーピッチは19mmフルサイズなので、手が大きな私でもスペースに余裕があります。
テンキーは17.5mmピッチなので少し狭くなっています。ただし、入力に違和感はありません。
AMD専用のセッティングを搭載
Inspiron 15 3000(AMD)は、AMD専用のセッティングを搭載しています。
メイン画面
グラフィック設定
パフォーマンス監視
ビデオのプロファイル
ディスプレイ設定
システムの基本情報を表示
5万円台で購入できる15インチノートパソコンInspiron 15 3000(AMD)。
詳しくはNew Inspiron 15 3000 (3585)(DELL公式ページ)をご参照ください。
【性能編】 Inspiron 15 3000(AMD)の性能をベンチマークテスト
Inspiron 15 3000(AMD)の性能を調べるため、各種ベンチマークテストを実施しました。
Inspiron 15 3000(AMD)のカスタマイズ構成
機種名 |
New Inspiron 15 3000 プレミアム |
OS |
Windows 10 Home (64ビット) 日本語 |
CPU |
AMD Ryzen 5 2500U モバイル プロセッサー Radeon Vega 8 グラフィックス 付き |
メモリ |
8GB, 2x4GB, DDR4, 2666MHz |
ハードディスク |
256GB M.2 PCIe NVMe SSD |
ビデオコントローラ |
内蔵 グラフィックス AMD APU 付き |
※最新のInspiron 15 3000(AMD)のカスタマイズ構成は、New Inspiron 15 3000 (3585)(DELL公式ページ)をご参照ください。
Inspiron 15 3000(AMD)のデバイスマネージャー
CPU-Zで「AMD Ryzen 5 2500U モバイル プロセッサー Radeon Vega 8 グラフィックス
付き」を見る。低価格ですが、4コア/8スレッド動作です。
GPU-Zで見る。
CPU単体の処理速度をテストする定番ベンチマーク「CINEBENCH R11」
古いアプリケーションを想定したシングルスレッドテスト、新しいアプリケーションを想定したマルチスレッドテストが実施できるCINEBENCH
R11を使って、AMD Ryzen プロセッサの実力を確認してみました。
「CINEBENCH R11」。3Dグラフィックのレンダリング性能を測定するベンチマークソフト。美麗な3Dグラフィックを描き切るまでのスコアをチェックします。CPU能力を100%フルに発揮するンチマークテストなので、各CPUの底力を知ることができます。
CINEBENCH R11スコア
CINEBENCH R11スコア
テスト |
AMD Ryzen 5 2500U モバイル プロセッサー Radeon Vega 8 グラフィックス 付き |
(参考)
インテル Celeron N4000
(4M キャッシュ, 最大 2.6 GHz まで可能) |
(参考)
AMD E2-9000 |
(参考)
第7世代
Core i5-7300U
(2.6〜3.5GHz) |
(参考)
第8世代 Core i7-8550U
(定格:1.8GHz、最大4.0GHz) |
【CINEBENCH R11】 CPU(シングルスレッド)(pts) |
1.33 |
0.77 |
0.48 |
1.64 |
1.87 |
【CINEBENCH R11】 CPU(マルチスレッド)(pts) |
6.15 |
1.40 |
0.73 |
3.91 |
6.82 |
安価なCPUと比較してみると、かなり高性能です。
第7〜第8世代 Core プロセッサと比較しても、結構良いスコアです。
CINEBENCH R15スコアのスコアも、悪くない。
ただし、後述するベンチマークスコアは、それほど高くありません。
実アプリケーションでの快適さを想定したベンチマーク「PCMARK 8」
実アプリケーションでの快適さを想定したベンチマーク「PCMARK 8」でベンチマークしてみました。他機種との性能比較の参考としてください。
一般的な使い勝手の「Home」は3362。
「Home」におけるゲーミングパソコンや、通常のノートパソコン、オフィス用ノートパソコンとの性能比較。
上位47%前後の中スコアです。
画像や動画編集などクリエイティブな使い勝手の「Creative」は3029。
「Creative」におけるゲーミングパソコンや、通常のノートパソコン、オフィス用ノートパソコンとの性能比較。
下位19%前後の低スコアです。少し物足りない。
ファイナルファンタジー14 紅蓮の解放者の公式ベンチマークテストで性能をチェック
比較的軽いグラフィック負荷である、ファイナルファンタジー14 紅蓮の解放者のベンチマークテストを試してみました。
「低解像度1280×720、標準品質、DirectX 11」の設定で、『快適』でした。
このレベルのライトなゲームであれば、なんとかプレイ可能です。
ただし、ちょっとでも負荷をかけると、途端に快適性は下がりますので、サブ用途程度としておいた方が良いです。
(総まとめ)SSDは速いが、その他の性能は普通
Inspiron 15 3000(AMD)は、
- SSDを標準搭載しているので、ハードディスク搭載の激安ノートと比べると快適である
- 安価なAMD Ryzen プロセッサは、そこその性能はあるが、ベンチマークスコアは伸びない
- 大きな15インチモニタを搭載するが、低解像度の1366×768しか選べない
- 接続端子は最低限のみ搭載している
- 本体ボディは安価な樹脂素材を採用しており、高級感はない
と、いう印象でした。
「5万円台で購入できるノートパソコンは、本当に最低限の性能しかない・・・。」、というのが率直な感想です。やはり、もう少し予算を追加して、中〜上位のノートパソコンの購入がおすすめです。
あえてメリットを挙げるとすれば、
- インターネットやWEBサイト閲覧程度であれば、SSDで何とか対応できる
- DVD視聴やデータ保存に便利な、光学ドライブを搭載している
- キーボードに数字入力が便利なテンキーを搭載している
でしょうか。
ただ、光学ドライブやテンキーを搭載しているノートパソコンは他にもラインナップされているので、5万円台から購入できるというメリットはあります。
気になる方は、ご検討してみてください。
DELL公式サイト 製品ページリンク
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