DELLスタンダードデスクトップ Inspiron 620 レビュー

Inspiron 620は、大人気ロングセラーとなった低価格デスクトップInspiron 580の後継機種。高い基本性能と安価な価格設定が魅力的な、2012年DELLデスクトップパソコンの売れ筋機種です。

Inspiron 620 ベンチマーク比較～CPU対決編！Core i3-2120 VS Core i5-2320～

【CPUベンチマーク比較その２】 Core i3-2120とCore i5-2320の性能と発熱量をチェック

まずは、Core i3-2120とCore i5-2320について、CPU単独での性能をチェックします。

Windows エクスペリエンスインデックス値

Windows 7の動作快適性を表す「Windows エクスペリエンスインデックス値」を比較します。

Core i5-2320のエクスペリエンス値

Windows エクスペリエンスインデックス値を比較
CPU名	Inspiron 620 その1	Inspiron 620 その2
プロセッサ	7.1	7.4
メモリ	7.4	7.4
グラフィックス	5.1	5.1
ゲーム用グラフィックス	5.8	5.8
ハードディスク	5.1	5.1

※Inspiron 620 その1 ： Core i3-2120（3.30GHz）＋4GBメモリ＋Intel HD 2000
※Inspiron 620 その2 ： Core i5-2320（3.00～3.30GHz）＋4GBメモリ＋Intel HD 3000

Inspiron 620が搭載可能なCore i3-2120やCore i5-2320は、どちらも7.1を超えるハイスコア。Windowsエクスペリエンス値の最大スコアが7.9であることを考えると、かなり高い性能であることがわかります。Windows7の基本動作であればCore i5-2320にアップグレードしても体感的な差はないので、予算重視のCore i3-2120がおすすめですね。

その他、、メモリやグラフィックス系スコアに変化はありませんでした。

この記事を書いている時点では、Inspiron 620に拡張型ビデオコントローラが選べないのが残念ですね。昔はローエンドタイプのみ選べたのですが、DELLの戦略でしょうか。ローエンドのRadeon HD 6670程度でもスコア7.0を超えるので、グラフィック系スコアを向上したい場合は、DELL保証外となりますが、ご自身でビデオコントローラ増設をご検討ください。

CPUの底力がわかる「CINEBENCH R10」と「CINEBENCH R11」

古いアプリケーションを想定したシングルスレッドテスト、新しいアプリケーションを想定したマルチスレッドテスト、グラフィックス描画能力を含めたOpenGLテストが行えるCINEBENCHを使って、両CPUの実力を確認してみました。

CINEBENCH R10

「CINEBENCH R10」。3Dグラフィックのレンダリング性能を測定するベンチマークソフト。美麗な3Dグラフィックを描き切るまでのスコアをチェックします。CPU能力を100%フルに発揮するンチマークテストなので、各CPUの底力を知ることができます。

CINEBENCH R10での性能比較
機種名	Inspiron 620 その1	Inspiron 620 その2
シングルスレッド	5084	5399
マルチスレッド	11536	18597
OpenGL Standard Test	3465	3420

※Inspiron 620 その1 ： Core i3-2120（3.30GHz）＋4GBメモリ＋Intel HD 2000
※Inspiron 620 その2 ： Core i5-2320（3.00～3.30GHz）＋4GBメモリ＋Intel HD 3000

CINEBENCH R10でのベンチマークスコアを比較

シングルスレッドではスコア差は小さいですが、CPUコア数をフルに発揮するマルチスレッドでは、Core i5-2320がCore i3-2120の約1.6倍ものスコア差を付けました。

Core i3-2120とCore i5-2320はどちらも4スレッド動作しますが、

Core i3-2120は、物理的に2コア×ハイパースレディング機能あり＝仮想的に4スレッド
Core i5-2320は、物理的に4コア×ハイパースレディング機能なし＝物理的に4スレッド

と、構造的な差がスコアに影響したようです。Core i5-2320は、物理的に4スレッド×3.00GHzで安定した動作が見込めることも有利ですね。

CINEBENCH R11

最新版「CINEBENCH R11」。美麗なグラフィックに生まれ変わっており、その分CPU負荷が上がってます。

CINEBENCH R11での性能比較
機種名	Inspiron 620 その1	Inspiron 620 その2
CPU（シングルスレッド）（pts）	1.32	1.31
CPU（マルチスレッド）（pts）	3.17	4.91
OpenGL（FPS）	5.93	5.92

※Inspiron 620 その1 ： Core i3-2120（3.30GHz）＋4GBメモリ＋Intel HD 2000
※Inspiron 620 その2 ： Core i5-2320（3.00～3.30GHz）＋4GBメモリ＋Intel HD 3000

CINEBENCH R11でのベンチマークスコアを比較

処理能力がより重い最新版CINEBENCH R11になると、性能不足のためか、Core i3-2120とCore i5-2320の差が少しだけ縮まりました。Core i3-2120はもちろん、Core i5-2320でも厳しいようですね。重負荷処理が主であれば、物理的4コア、かつ、8スレッド動作の上位Core i7-2600を狙うべきかもしれません。