DELLスタンダードデスクトップ Inspiron 620s レビュー

Inspiron 620sは、省スペース設置が可能なスリム型デスクトップ。高い基本性能を誇る第2世代Core i3/i5を搭載する人気モデルなので、インターネットや文書作成など軽負荷作業におすすめです。

DELL Inspiron 620s 製品概要

【概要４】 Inspiron 620sの性能をベンチマーク（概要）

Inspiron 620sの性能を知るために、旧Core i3、新Core i3/Core i5/Core i7を含めた各種ベンチマークテストを実施しました。このページではWindowsエクスペリエンス値、定番ベンチマークテストのPCMARK05とPCMARKVANTAGE、CPUの底力を知ることができるCINEBENCH のスコアをご紹介します。他の各種ベンチマークテストは、後日別ページにて徹底比較します。

ベンチマークテストした各パソコンの仕様は以下のとおりです。

今回比較したカスタマイズ構成一覧
比較対象	旧Inspiron 580	Inspiron 620	Inspiron 620s	XPS 8300 その１	XPS 8300 その２
CPU （定格動作周波数）	Core i3-530 （2.93GHz）	Core i3-2100 （3.1GHz）	Core i5-2300 （2.8GHz～3.1GHz）	Core i5-2400 （3.1GHz～3.4GHz）	Core i7-2600 （3.4GHz～3.8GHz）
メモリ	4GB	4GB	4GB	4GB	4GB
ハードディスク	500GB	500GB	750GB	500GB	500GB
ビデオコントローラ	GeForce G310 512MB	インテル HD グラフィックス	インテル HD グラフィックス	Radeon HD 5450 1GB	Radeon HD 5770 1GB
製品概要	Inspiron 580 レビュー	Inspiron620(DELL公式ページ）	Inspiron620s(DELL公式ページ）	XPS 8300 （DELL公式ページ）	XPS 8300 （DELL公式ページ）
備考	第1世代Core i3＋ローエンドビデオコントローラの組み合わせ	第2世代Core i3＋オンボードビデオコントローラの組み合わせ	第2世代Core i5＋オンボードビデオコントローラの組み合わせ	XPS 8300の低価格構成	XPS 8300の高性能構成

Windowsエクスペリエンス値

Windowsエクスペリエンス値の性能比較
比較対象	旧Inspiron 580	Inspiron 620	Inspiron 620s	XPS 8300 その１	XPS 8300 その２	備考
プロセッサ	6.9	7.1	7.4	7.4	7.6	Core i3-2100でも7.1とハイスコア。Core i5-2300やCore i7-2600だと7.4/7.6までスコア上昇しますが、Windows7の基本動作であれば過大性能かも。
メモリ	5.9	5.9	5.9	7.6	7.6	新旧Core i7は7.6とかなり高速。下位Core i3は5.9までスコアが落ちる。
グラフィックス	5.0	5.1	5.1	4.9	7.4	オンボードでは5前後。
ゲーム用グラフィックス	5.9	5.8	5.8	6.2	7.4	ゲームをプレイするなら7は必要。
ハードディスク	5.9	5.9	5.9	5.9	5.9	大差なし。SSDへの換装も検討の余地あり。

※旧Inspiron 580：Core i3-530（2.93GHz）＋GeForce G310 512MB
※Inspiron 620：Core i3-2100（3.1GHz）＋インテル HD グラフィックス
※Inspiron 620s：Core i5-2300（2.8GHz）＋インテル HD グラフィックス
※XPS 8300 その１：Core i5-2400（3.1GHz）＋Radeon HD 5450 1GB
※XPS 8300 その２：Core i7-2600（3.4GHz）＋Radeon HD 5770 1GB

Windowsエクスペリエンス値を比較
動作が軽いWindows 7快適さを示す指標なのでスコアはそれほど差が付きませんが、それでもCore i3-2100は7.1、Core i5-2300は7.4と健闘しています。ただ、メモリやグラフィックスコアが低いので、性能重視ユーザーには不向きかもしれません。

実負荷を想定したベンチマークソフト「PCMark05」

　 XP起動状態を計測
PCMARK05。アプリケーションソフトでの利用を想定したベンチマークソフト。

PCMARK05の性能比較
比較対象	旧Inspiron 580	Inspiron 620	Inspiron 620s	XPS 8300 その１	XPS 8300 その２	備考
CPUスコア	7796	9362	10525	11557	12854	第2世代Core i3/i5は、第1世代Core i3-530を圧倒。Core i5-2300は、Core i3-2100の約1割増しのスコアを計測。
Memoryスコア	6640	9844	10101	11159	12633	同上
Graphicsスコア	4420	3293	3436	4867	18534	オンボードだとスコアは今ひとつだが、ハイビジョン映像再生支援程度であれば十分使える。

PCMARK05の性能比較
第2世代Core i3-2100は、第1世代Core i3-530を圧倒。定格動作周波数が3.1GHzもあるので、当然と言えば当然かもしれません。また、Core i5-2300は、Core i3-2100の約1割増しのCPUスコアを計測していますが、上位機種XPS 8300で選べるCore i5-2400にはやや劣ります。Core i7とのスコア差も大きいので、将来を見込むならXPS 8300がおすすめです。

画像や動画用途を想定したベンチマークソフト「PCMark Vantage」

高画質写真やハイビジョン動画などマルチメディア系コンテンツに重きを置いたベンチマークソフト「PCMark Vantage」を使ってInspiron 620の性能を測定しました。

PCMark Vantageでの性能比較
比較対象	旧Inspiron 580	Inspiron 620	Inspiron 620s	XPS 8300 その１	XPS 8300 その２	備考
PCMark Suite	6359	6925	8012	9524	10499	総合スコア。数値が高いほど、デジタルコンテンツ系処理に強い。
Memories Suite	3841	3499	4542	5552	7820	拡大/反転/回転といった高解像度画像の処理＆画像ファイルのインポート処理を計測。
TV and Movies Suite	4222	4442	5244	5840	6613	Windows Media CenterからのHDDアクセス＆HDコンテンツ付きVC-1形式HD DVDの再生処理を計測。
Gaming Suite	5001	4664	5703	6202	10450	ゲームにおけるCPUの処理＆同HDDの処理処理を計測。
Music Suite	6009	6413	7226	8968	9157	Webページのレンダリング，MP3形式→WMA形式のサウンドファイルトランスコード＆HDDからWindows Media Playerへ音楽ファイルを追加する処理を計測。
Communicati Suite	5995	6708	10362	11887	12129	データの暗号化、データの圧縮＆Windows Mailのコピー処理を計測。
Productivity Suite	5613	5906	6464	7614	6462	テキスト編集する処理やWindowsのファイル検索、Windows Mailの検索、Webページのレンダリング＆HDDからのアプリケーション読み出しする処理を計測。
HDD Suite	4387	3942	4143	5395	5331	ハードディスクの速度を計測。

PCMark Vantageでの性能比較

ほぼ全てのテスト項目において、CPUの性能順に高スコアです。第1世代Core i3-530との差が明確ですね。ただ重い用途になると、Core i3-2100やCore i5-2300は、Core i5-2400やCore i7-2600に引き離される傾向が見受けられました。

CPUの底力を知るベンチマークソフト「CINEBENCH」

「CINEBENCH R10」。3Dグラフィックのレンダリング性能を測定するベンチマークソフトです。

CINEBENCH R10でベンチマーク測定
比較対象	旧Inspiron 580	Inspiron 620	Inspiron 620	XPS 8300 その１	XPS 8300 その２	備考
シングルスレッドスコア	3830	4963	4952	5518	6126	Core i5やCore i7は、ターボブーストによる動作周波数アップが高い。
マルチスレッドスコア	8682	11053	17395	18800	23039	マルチスレッド対応アプリでは、Core i5やCore i7が強さを発揮。

CINEBENCH R10でベンチマーク測定

CPU単体の性能を調べるベンチマークテストだけあって、最新CPUほど高性能化が目立ちます。Core i3-2100は、ターボブースト機能が非搭載にもかかわらず基本動作周波数が高いので、古いアプリケーションでの動作を想定したシングルスレッドテストでも速いです。

面白いのは、ターボブースト機能が効きやすいシングルスレッドテストにおいて、Core i3-2100とCore i5-2300のスコアが同じだったことです。Core i3-2100（定格：3.10GHｚ、ターボブースト機能：なし）とCore i5-2300（定格：2.80GHｚ、ターボブースト機能：3.10GHｚ）なので理論的には当然なのですが、実ベンチマークテストにおいても実証できたことになります。シングルスレッド処理となる古いアプリケーションであれば、下位のCore i3-2100でも十分ですね。

対して、最新アプリケーションでの動作を想定したマルチスレッドテストになると、コア数/スレッド数が多いCore i5-2300/2400やCore i7-2600が劇的にスコアを伸ばしています。Core i3-2100では少し物足りないので、用途もしくは利用するアプリケーションに合わせてご検討ください。

（まとめ）定格動作周波数が高く、基本性能が充実しているCore i3-2100

第2世代Core i3のスゴサに驚き

Windowsエクスペリエンス値、PCMARK05、PCMARKVANTAGE、CINEBENCHのスコア比較をご紹介しましたが、Inspiron 620sが採用する第2世代Core i3-2100やCore i5-2300の高パフォーマンスが目立ちました。昨年主流だった第1世代Core i3-530を過去のモノにするほどの性能アップはスゴイです。