DELLプレミアムデスクトップ Studio XPS 8100 レビュー
Studio XPS 8100は比較的低価格で購入できるDELLプレミアムデスクトップ。
画像・動画編集や最新3Dゲームを楽しむ方におすすめします。
Core i7-800シリーズ最上位のCore i7-880を選ぶ価値はあるか?仮想Core i7-880でベンチマークしてみた
【仮想Core i7-880の実力をチェック! 序章】 Core i7-875Kをオーバークロックした仮想Core
i7-880でベンチマークテストを実施
Studio XPS 8100はDELLデスクトップパソコンの中でも人気が高い機種なので、当サイトをご覧頂いている方から、Studio
XPS 8100に関するお問い合わせをよくお受けします。その中でも、先日メールを頂いたのが「高額なCore
i7-880を選ぶ理由はありますか?」という内容でした。
Core i7-880ってどんなCPU?
ご存じの方もいらっしゃると思いますが、Core i7-880は普及価格帯Core i7-800シリーズの最上位CPUです。定格動作周波数は3.06GHz、ターボブースト時では最大3.73GHzまで上昇するので性能重視の方におすすめです。
反面、一番人気のCore i7-870(定格時:2.93GHz、最大時:3.60GHz)とそれほど大きな性能差がない割に、Core
i7-870からのアップグレード料金差が約5万円(2010年10月25日時点)もするプレミアムCPUでもあります。「動作周波数が0.13GHzしか変わらないのに5万円も違うなんて、そんな理不尽な!」という声が聞こえてきそうなCPUですが、インテル最上位CPUは昔から理不尽な価格なので仕方ありません。
しかも、Core i7-880は他のCPUと異なり、この記事を書いている時点ではCPU単体で購入することができません。当初は、2010年夏頃に販売開始とウワサされていましたが、現在でも単体販売されておらず、DELLなどBTOパソコンメーカーへの出荷だけのようです。Core
i7-870とのパフォーマンス差についても情報が少ないので、我々購入ユーザーとしては非常に困るCPUでもあります。

写真は現在一番人気のCore i7-870の単体BOX。Core i7-880は写真のようにCPU単体で購入することができません。
Core i7-870とCore i7-880の性能を比較
CPU名 |
Core i7-870 |
Core i7-880 |
備考 |
コア数/スレッド数 |
4 |
4 |
両CPUとも、4コア+ハイパースレディング機能の爆速8スレッド動作します。 |
定格動作周波数 |
2.93GHz(22倍) |
3.06GHz(23倍) |
Core i7-880は定格動作周波数が3GHzを超えます。 |
1コアTurbo時 |
3.6GHz(27倍) |
3.73GHz(28倍) |
Core i7-880は、Core i7-870よりターボブースト機能の倍率が1段階高い。 |
2コアTurbo時 |
3.46GHz(26倍) |
3.6GHz(27倍) |
同上 |
3コアTurbo時 |
3.2GHz(24倍) |
3.33GHz(25倍) |
同上 |
4コアTurbo時 |
3.2GHz(24倍) |
3.33GHz(25倍) |
同上 |
アップグレード料金
(2010年10月25日時点) |
- |
+5万円前後 |
動作周波数が0.13GHz異なるだけで約5万円も違う。 |
※()内の数字はベースクロック:133MHzの倍率
そこで解決策として考えついたのが、オーバークロック可能なCore i7-875Kを使って仮想Core
i7-880を作り出すことです。Studio XPS 8100のマザーボードはオーバークロック非対応ですが、オーバークロック対応のゲーミングデスクトップパソコンAlienware Aurora であれば、仮想Core i7-880を実現することができます。

オーバークロック可能なCore i7-875Kを選べるAlienware Aurora。オーバークロックせずともCore
i7-870と同性能、オーバークロックすれば仮想Core i7-880以上という優れモノです。チップセットやビデオコントローラなどの周辺パーツについてもStudio
XPS 8100とほぼ同じ環境なので、Core i7-880に近い環境を作り出すことが可能と考えます。詳しいレビューはAlienware Auroraレビューをご参照ください。

Alienware AuroraのBIOS画面にて、ターボブースト倍率をCore i7-880と同じ「28-27-25-25」に設定。基本倍率は設定不可なので定格周波数は2.93GHzのままですが、Core
i7プロセッサの上位レベルになると、ターボブースト機能が働く頻度が高く、定格周波数で動作することは少なだろうと仮定しました。厳密なベンチマークスコア比較ではありませんが、Core
i7-870とCore i7-880の性能差が気になる方は参考にしてみてください。
Core i7-870と仮想Core i7-880の性能を比較
CPU名 |
Core i7-870 |
Core i7-880 |
Core i7-875K による仮想Core i7-880 |
備考 |
コア数/スレッド数 |
4 |
4 |
4 |
3CPUとも、4コア+ハイパースレディング機能の爆速8スレッド動作します。 |
定格動作周波数 |
2.93GHz(22倍) |
3.06GHz(23倍) |
2.93GHz(22倍) |
定格動作周波数の倍率はAlienware Auroraでも変更不可のため、Core i7-870と同じです。ただ、このレベルのCPUになると定格動作する頻度は少ないでしょうから、影響は少ないと考えます。 |
1コアTurbo時 |
3.6GHz(27倍) |
3.73GHz(28倍) |
3.73GHz(28倍) |
ターボブースト機能の倍率を合わせることによって、仮想Core i7-880を作り出します。 |
2コアTurbo時 |
3.46GHz(26倍) |
3.6GHz(27倍) |
3.6GHz(27倍) |
同上 |
3コアTurbo時 |
3.2GHz(24倍) |
3.33GHz(25倍) |
3.33GHz(25倍) |
同上 |
4コアTurbo時 |
3.2GHz(24倍) |
3.33GHz(25倍) |
3.33GHz(25倍) |
同上 |
アップグレード料金
(2010年10月25日時点) |
- |
+5万円前後 |
- |
Core i7-875KはプレミアムなAlienware Auroraしか選べません。Studio XPS 8100では、Core
i7-870 or Core i7-880が選択肢となります。 |
※()はベースクロック:133MHzの倍率

CPU-Zで仮想Core i7-880(Core i7-875K)を見る。ターボブースト機能により最大3.73GHzまで上昇しているのが確認できました。この仮想Core
i7-880を使って、Core i7-870とのベンチマークテストを行います。
ちょっとだけ結論を
詳しい比較の前にちょっとだけ結論をお話しておきますと、予想通りではありますが、仮想Core
i7-880は一部のベンチマークテストを除いてCore i7-870を動作周波数の差だけ上回りました。
特に、画像や動画編集などマルチメディア系ベンチマークで好成績を収めており、例えば、一眼レフで撮影した高画質RAW写真でレタッチ編集を楽しんだり、ビデオカメラで撮影した映像を編集しエンコードするという用途が主となる方であれば、かなりの処理能力アップが味わえます。
反面、ビデオコントローラの性能が大きく影響するゲーム用途などでは仮想Core
i7-880のメリットがありません。約5万円ものアップグレード料金を出してまで投資する価値はなく、現時点ではハードディスクやビデオコントローラ、その他周辺機器へ予算を充当したほうが幸せです。どこまで性能を突き詰めるかにもよりますが、Core
i7-880へのアップグレード料金がもう少し下がれば、一般ユーザーの方でも投資するメリットはありそうです。
それよりも性能重視の方には、Studio XPS 8100+Core i7-880ではなく今回ご紹介しているAlienware Aurora +オーバークロック対応Core i7-875Kがおすすめです。パソコン本体サイズは極めて大きくなりますが、同価格帯で最大動作周波数4GHz前後が狙えるため、Core
i7-880へのアップグレードを目指すよりは高コストパフォーマンスと考えます。
次ページからは、仮想Core i7-880のベンチマークテスト結果を詳しくご紹介します。
DELL公式サイト 製品ページリンク
 
性能重視の中〜上級ユーザーに大人気を誇るハイエンドデスクトップ Studio
XPS 8100
最新Core i7/i5搭載のDELLハイエンドデスクトップ Studio XPS 8100。
詳細はStudio XPS 8100 (DELL公式ページ)をご参照ください。
【GeForce GTX 460 VS Radeon HD 5770 追記】 DELLオリジナルGeForce GTX 460を手に入れたので、定格GeForce
GTX 460と比較してみた<< >>【仮想Core i7-880の実力をチェック! その1】 Windows7の快適性を示すWindowsエクスペリエンス値
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