「Core 2 Duo」と「Core Duo」の違いとは？
２．それでCore 2 Duoはどうなったの？
"Core Duo"と"Core 2 Duo"の両CPUは、名前が似ています。
違うのは、真ん中に2という数字が入っているだけ。
「性能的にあまりかわらないんじゃないの？」と思う方もいるでしょう。
性能と省電力性が向上
インテル曰く、デスクトップ用CPUであるPentium Dよりも処理速度が40%アップ、消費電力を40%削減という驚異的な性能を誇ります。ノート用CPUであるCore
Duoと比べても、性能、省電力性ともに上です。
参考：インテル公式ホームページ
ちなみに、Core Duoとの性能比較をしてみますと、
| CPU名 | Core Duo | Core 2 Duo |
|---|---|---|
| 備考 | モバイルアーキテクチャ | Coreアーキテクチャ |
| 最大2次キャッシュ量 | 2MB | 4MB |
| TDP(※) | 31W | 34W |
| 64ビット対応 | 可 | 不可 |
※TDP："熱設計電力”と呼ばれる、CPUの最大放熱量のこと。数字が大きいほど、使用電力が大きい。
となります。
１．CPUの構造が違う
まず、マイクロアーキテクチャと呼ばれる、CPUの構造(作り方)自体が違います。
Core Duoは昔からあるPentiumプロセッサの進化系、Core 2 Duoは全く新しい設計思想によって作られたCPUです。1から設計をやりなおしているため、全く別のCPUと言えます。
２．確認しておきたい、2次キャッシュ容量
CPUには、2次キャッシュと呼ばれる高速メモリを持っています。
この2次キャッシュメモリは、繰り替えす作業が多いほど、効率的な処理ができることから、パソコン全体の処理速度を高める効果があります。
Core 2 Duoには、この2次キャッシュにも変化が見られます。
例えば、Inspiron 640mで選択できるCPUを見てみますと、2006年9月21日現在、下記のようになっています。
- インテル Core 2 Duo プロセッサー T7200 (4MB L2キャッシュ 2GHz 667MHz FSB)
- インテル Core Duo プロセッサー T2300E (2MB L2キャッシュ 1.66GHz 667MHz FSB)
Core Duoの2MBに対して、Core 2 Duoでは、2倍の4MBが搭載されていることがわかります。
インターネットや文章作成程度の使用目的であれば、体感速度として恩恵を受けることはできないかもしれませんが、動画や画像を扱う目的がある方には、ワンランク上の快適性を提供してくれるCPUだと言えます。
３．省電力性を保持している
TDPとは、熱設計電力と呼ばれる、CPUの最大放熱量のことです。
つまり、この数字が小さいほど使う電気が少なく、発熱量も小さくて済むのです。
この数字に関しては、Core Duoの31W(ワット)に対して、Core 2 Duoは34Wです。
確かに、省電力性だけを求めるのであれば、Core Duoに劣っています。
しかし反対に考えると、Core 2 Duoは、性能が上がっているにもかかわらず、3W程度の消費電力上昇に抑さえることができたとも言えます。
性能を優先するならCore 2 Duo、とにかく省電力性を優先するならCore Duoという選択になります。
４．64ビットに対応している
現在のOSは、大抵32ビットですが、ただしこれからのOSは、64ビット対応となっていきます。
64ビットになるとメモリ容量が最大8GBまで対応できたりという利点はあるのですが、パソコン初心者の方は特に気にする必要はないでしょう。
「将来対応としても安心なCPU」という認識程度で良いと思います。
Core 2 DuoとCore Duoの比較 まとめ
少し話しがややこしくなりましたが、まとめると以下のような利点があります。
複数の同時作業に最適
音楽を聴きながら、ビデオ編集やデジカメ画像レタッチを行うなど、同時にたくさんの作業をする場合、快適さがさらに向上します。
省電力性も改善
性能を向上しながら、省電力化を達成。
CPUの大敵である発熱を抑え、パソコンにかかる負担を軽減しています。
次のページでは、この利点について、もう少し詳しくご紹介します。