DELL(デル) Dimension/Inspiron
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ページ更新：2009/8/26
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2009年夏〜秋版 カスタマイズ最新事情を知ろうマイズ最新事情を知ろう

DELLパソコン購入を検討されている方のために、最新のパーツトレンドをご紹介。

１０．CPU　実践ノート編〜主流のCore 2 Duoと安価なCeleron〜

豊富なラインナップと複雑な品番構成

デスクトップパソコンほどではないものの、ノートパソコンのCPU状況も複雑です。

現在の主なCPUラインナップ

デスクトップ同様、ノートパソコン用のCPU製造メーカーは大きく分けてインテル社とAMD社がありますが、現在大半のシェアを占めるインテル製CPUについて詳しくご紹介します。

簡単に比較すると、下記表のようになります。

CPUブランド名 性能 価格 対象層 備考
Core 2 Extreme 超高 超高 超上級者向け 現在、最高峰CPUとして君臨しているCPU。ゲーミングノート機種には採用されていますが、価格が高すぎて一般ユーザーには不向きです。
Core 2 Quad 高 高 中〜上級者向け デスクトップパソコンに匹敵する性能を誇るクアッドコアCPU。画像や動画に強く、ノートパソコンでも性能重視の方におすすめ。
Core 2 Duo 高 中 一般ユーザー向け 現在売れ筋の人気CPUであり、将来長く使いた方におすすめ。特にビスタ搭載機種を選ぶなら必須。
Celeron 低 低 予算重視層向け 予算重視の低価格CPU。インターネットやメール用途ならおすすめ。
Atom 低 低 モバイル向け ミニノートと呼ばれるモバイルパソコンに採用されるCPU。省電力化に特化されているが性能は低い。

「Core 2 Duoをメインに検討し、予算に余裕がなければCeleron搭載機種を狙う」が基本的なCPUの選び方です。ただしOSにビスタを搭載するなら、快適に動作させるためにCore 2 Duoを強くおすすめします。

また、最近ではクアッドコアCPUであるCore 2 Quadを搭載するノートパソコンも登場しています。主に画像・動画編集用途であり、搭載される機種も限られますが、デスクトップパソコンに匹敵する性能を手に入れたい方は狙ってみてください。

Core 2 Duo搭載のスタンダードノートとAtom搭載のミニノートは性能が大きく異なる

5万円以下という価格帯から購入でき、持ち運びにも便利なミニノートが人気です。インターネットやメール程度であれば実用レベルですが、画像や動画を扱うと極端に快適さが低下します。

PCMARK05での性能比較
比較対象 ミニノート
Inspiron Mini 12		 ミドルレンジノート
Studio 15
CPU(動作周波数) Atom Z520(1.33GHz) Core 2 Duo T8100(2.1GHz)
PCMark(総合スコア) 1061 4632
CPUスコア 1487 5140

Core 2 Duoを搭載するStudio 15とAtomを搭載するInspiron Mini 12の性能比較
Core 2 Duoを搭載するStudio 15とAtomを搭載するInspiron Mini 12の性能比較。

上記の性能比較を見れば明らかですが、Atomを搭載するInspiron Mini 12の総合スコアはかなり低いことがわかります。CPUスコアを比較しても、Core 2 Duoの30%前後と圧倒的に劣っています。計算処理量が多くなるテストほど、その差は大きくなりますので、画像や動画を扱う方はご注意ください。

パソコン納得購入ガイドのおすすめCPU

私がおすすめするCPUは、コストパフォーマンスが高い「Core 2 Duo P8600(2.40GHz)」です。動作周波数が比較的高く、安価に購入できることが多いです。

機種によってはカスタマイズできないことがありますので、上記2CPUを目安としつつ予算と用途を含め検討してみてください。DELLでは価格調整がよくありますので、上下位CPUとの価格差もチェックが必要です。ちなみに2次キャッシュメモリに関しては、動画エンコードなど重処理をしなければ気にする必要はありません。

各CPUラインナップ紹介

現在発売されているCPUを詳しくリストアップしてみました。以下に掲載したCPUが全てではありませんが、おそらく支障ないと思います。2009年8月現在、DELLパソコンでカスタマイズできないCPUも含まれていますが、今後追加される可能性を踏まえて掲載しています。

(CPU名や各数値に関しては、最終的に購入される際に確認してください。記載間違いがあってもご容赦願います。)

Core 2 Extreme　〜予算度外視のハイエンドCPU〜
CPU名 動作周波数 FSB 2次キャッシュ コア数 製造プロセス VT機能 TDP
(熱設計電力)
Core 2 Extreme QX9300 2.53GHz 1,066MHz 12MB 4 45nm ○ 45W
Core 2 Extreme X9100 3.06GHz 1,066MHz 6MB 2 45nm ○ 44W
Core 2 Extreme X9000 2.80GHz 800MHz 6MB 2 45nm ○ 44W
Core 2 Extreme X7900 2.80GHz 800MHz 4MB 2 65nm ○ 44W
Core 2 Extreme X7800 2.60GHz 800MHz 4MB 2 65nm - 44W

とにかく性能にこだわる向けのCPU。DELLでもハイエンドXPSシリーズの上位機種に採用されていますが、高価なので一般的ではありません。

Core 2 Quad　〜4つのコアで快適・爆速！〜
CPU名 動作周波数 FSB 2次キャッシュ 製造プロセス Hyper Threading VT機能 TDP
(熱設計電力)
Core 2 Quad Q9100 2.26GHz 1,066MHz 12MB 45nm - ○ 45W
Core 2 Quad Q9000 2.00GHz 1,066MHz 6MB 45nm - ○ 45W

ハイエンドノートに搭載可能なクアッドコアCPU。4つのコアが並列に処理するため、複数作業時も動作が鈍くなりにくいだけでなく、対応ソフトなら劇的な処理時間短縮が期待できます。画像や動画など大容量データを処理する際に有利な2次キャッシュメモリを12MB搭載している9000シリーズと、4MBに少量化した8000シリーズがあります。

低価格ノートでは搭載不可となっているだけあり、Core 2 Quadの操作感は非常に快適。DELLでは、この記事を書いている2009年8月現在では採用されている機種は少数ですが、価格がこなれてくるにつれて採用される機会が多くなるかもしれません。

Core 2 Duo　〜誰もが認める売れ筋CPU。低価格で高性能！〜
CPU名 動作周波数 FSB 2次キャッシュ 製造プロセス VT機能 TDP
(熱設計電力)
Core 2 Duo P9700 2.80GHz 1,066MHz 6MB 45nm ○ 28W
Core 2 Duo P9600 2.66GHz 1,066MHz 6MB 45nm ○ 25W
Core 2 Duo P9500 2.53GHz 1,066MHz 6MB 45nm ○ 25W
Core 2 Duo P8700 2.53GHz 1,066MHz 3MB 45nm ○ 25W
Core 2 Duo P8600 2.40GHz 1,066MHz 3MB 45nm ○ 25W
Core 2 Duo P8400 2.26GHz 1,066MHz 3MB 45nm ○ 25W
Core 2 Duo T9900 3.06GHz 1,066MHz 6MB 45nm ○ 35W
Core 2 Duo T9800 2.93GHz 1,066MHz 6MB 45nm ○ 35W
Core 2 Duo T9600 2.80GHz 1066MHz 6MB 45nm ○ 35W
Core 2 Duo T9550 2.66GHz 1066MHz 6MB 45nm ○ 35W
Core 2 Duo T9500 2.60GHz 800MHz 6MB 45nm ○ 35W
Core 2 Duo T9400 2.53GHz 1066MHz 6MB 45nm ○ 35W
Core 2 Duo T9300 2.50GHz 800MHz 6MB 45nm ○ 35W
Core 2 Duo T8300 2.40GHz 800MHz 3MB 45nm ○ 35W
Core 2 Duo T8100 2.10GHz 800MHz 3MB 45nm ○ 35W
Core 2 Duo T7800 2.60GHz 800MHz 4MB 65nm ○ 35W
Core 2 Duo T7700 2.40GHz 800MHz 4MB 65nm ○ 35W
Core 2 Duo T7600 2.33GHz 667MHz 4MB 65nm ○ 34W
Core 2 Duo T7500 2.20GHz 800MHz 4MB 65nm ○ 35W
Core 2 Duo T7400 2.16GHz 667MHz 4MB 65nm ○ 34W
Core 2 Duo T7300 2.00GHz 800MHz 4MB 65nm ○ 35W
Core 2 Duo T7250 2.00GHz 800MHz 2MB 65nm ○ 35W
Core 2 Duo T7200 2.00GHz 667MHz 4MB 65nm ○ 34W
Core 2 Duo T7100 1.80GHz 800MHz 2MB 65nm ○ 35W
Core 2 Duo T5800 2.00GHz 800MHz 2MB 65nm - 35W
Core 2 Duo T5600 1.83GHz 667MHz 2MB 65nm ○ 34W
Core 2 Duo T5500 1.66GHz 667MHz 2MB 65nm ○ 34W
Core 2 Duo T5470 1.60GHz 800MHz 2MB 65nm - 35W
Core 2 Duo T5450 1.66GHz 667MHz 2MB 65nm - 35W
Core 2 Duo T5300 1.73GHz 533MHz 2MB 65nm - 34W
Core 2 Duo T5270 1.40GHz 800MHz 2MB 65nm - 35W
Core 2 Duo T5250 1.50GHz 667MHz 2MB 65nm - 35W
Core 2 Duo T5200 1.60GHz 533MHz 2MB 65nm - 34W

現在のノートパソコン業界を席巻しているCPU。デスクトップパソコン同様、製造プロセスが45nmの最新Core 2 Duoが登場してからは不動の地位を築いています。

インターネットやメールはもちろん、処理が比較的重い画像・動画編集にも対応できます。Core 2 Duoに最適化されている対応ソフトも多く、今秋から今冬にかけて値下がり傾向にありますので、さらにコストパフォーマンスは高まります。

TシリーズとPシリーズ、45nmプロセスと65nmプロセスについて

ノートパソコン用Core 2 Duoは、動作周波数が高いTシリーズと省電力タイプのPシリーズがあります。コストパフォーマンスが高くて人気があるのはCore 2 Duo P8600(2.40GHz)ですが、性能重視の方は少々値段が高いですがCore 2 Duo T9900(3.06GHz)という選択肢もあります。

また製造プロセスにおいても、消費電力が少なく、各種性能が追加されている現世代の45nmプロセスCPUが主流です。前世代の安価な65nmプロセスCPUもありますが、DELLでは採用されなくなっています。

ノートパソコンはデスクトップパソコンのようにCPUを換装しづらい機種がありますので、購入当初に予算の許す限り上位CPUを狙ってみてください。ただし、インターネットやメールなど軽作業であれば、Core 2 Duoの下位CPUでもOKです。

参考
Celeron　〜とにかく予算重視という方に〜
CPU名 動作周波数 FSB 2次キャッシュ 製造プロセス VT機能 TDP
(熱設計電力)
Celeron 900 2.20GHz 800MHz 1MB 45nm - 35W
Celeron 585 2.16GHz 667MHz 1MB 65nm - 31W
Celeron 575 2.00GHz 667MHz 1MB 65nm - 31W
Celeron 570 2.26GHz 533MHz 1MB 65nm - 31W
Celeron 560 2.13GHz 533MHz 1MB 65nm - 31W
Celeron 550 2.00GHz 533MHz 1MB 65nm - 31W
Celeron 540 1.86GHz 533MHz 1MB 65nm - 30W
Celeron 530 1.73GHz 533MHz 1MB 65nm - 27W

低価格機種に搭載され、インターネットやメールを中心とした用途におすすめのCPU。「性能よりも予算重視！」と割り切って使う方におすすめです。

比較的動作周波数が高いのでCore 2 Duoと大差ない印象を受けますが、バックグラウンドでの作業が多いビスタでの使用であれば快適性は大きく異なります。XPをカスタマイズするなら、Celeronという選択肢もありかもしれません。

また、重負荷作業ではCore 2 Duoに及ばないことをキチンと把握しておきましょう。

Atom 〜省電力に特化した小型デバイス用のCPU〜
CPU名 動作周波数 FSB 2次キャッシュ 製造プロセス VT機能 TDP
(熱設計電力)
Atom Z550 2.00GHz 533MHz 512KB 45nm ○ 2.4W
Atom Z540 1.86GHz 533MHz 512KB 45nm ○ 2.4W
Atom Z530 1.60GHz 533MHz 512KB 45nm ○ 2W
Atom Z520 1.33GHz 533MHz 512KB 45nm ○ 2W
Atom Z510 1.10GHz 400MHz 512KB 45nm - 2W
Atom Z500 800MHz 400MHz 512KB 45nm - 0.65W
Atom N270 1.60GHz 533MHz 512KB 45nm - 2.5W
Atom N230 1.60GHz 533MHz 512KB 45nm - 4W
Atomとは？

Atomはミニノートと呼ばれる低価格モバイルノートに搭載されるCPUの名称。省電力性に優れており、バッテリの持ちが気になるモバイルノートに最適。ただし性能は最小限なので、インターネットや文章作成が主用途となり、画像や動画編集など高負荷作業には不向きです。

「N」よりも「Z」の方が省電力性が高められていますが、搭載される機種が制限されます。あまり気にする必要はありません。この記事を書いている時点でのAtom搭載機種は、低価格モバイルノートであるInspiron Mini 10とInspiron Mini 12のみ。他メーカーでは、デスクトップパソコンに搭載されている機種もありますので、今後のDELLに注目です。

Celeronが消えてCore 2 Duoが中心となりつつあるノート用CPU

デスクトップパソコンほど性能を重視しないノートパソコンでも、デュアルコアCPUのCore 2 Duoが主流となっています。目に見えないところで複数のプログラムが動作することが多いビスタでは、非力なCeleronよりも並行作業に強いCore 2 Duoが最適です。

「私は複数同時作業なんてしないからCeleronでも大丈夫！」という方もいらっしゃるでしょうが、OSのビスタでは隠れて複数の作業を行っていることが多いだけでなく、現在大半のアプリケーションソフトがマルチスレッド(平行作業)での高速化を進めているなど、今後Core 2 Duoの需要は大きくなると想定されます。

Core 2 Duoに最適化され、高速化が確認されているソフトも多いので、特に画像や動画が主用途となりそうな方は将来長く使うことを考えてCore 2 Duo搭載機種を優先して検討してみてください。

反対に、とにかく予算重視という方にはCeleronという選択肢もあります。インターネットやメール程度であれば十分なので、動作周波数は気にせず選択してみましょう。

参考

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