DELLプレミアムデスクトップ Studio XPS 8100 レビュー
Studio XPS 8100は比較的低価格で購入できるDELLプレミアムデスクトップ。
画像・動画編集や最新3Dゲームを楽しむ方におすすめします。
コストパフォーマンスが高いCPUはどれ? Core i7-860 VS Core i5-750 VS Core i5-650
【3CPU対決! その10】 まとめ 〜全体的に強いCore i7-860、用途によって肉薄するCore
i5-650〜
Core i7-860、Core i7-5-750、Core i5-650の3CPUの性能比較について、最後にまとめてみたいと思います。
3CPUの概要を比較
CPU名 |
Core i7-860 |
Core i5-750 |
Core i5-650 |
対応CPUソケット |
LGA1156 |
LGA1156 |
LGA1156 |
コア数 |
4 |
4 |
2 |
スレッド数 |
8 |
4 |
4 |
定格動作周波数 |
2.80GHz |
2.66GHz |
3.20GHz |
ターボ・ブーストによる最大周波数 |
3.46GHz |
3.20GHz |
3.46GHz |
2次キャッシュ |
256KB×4 |
256KB×4 |
256KB×4 |
3次キャッシュ |
8MB |
8MB |
4MB |
TDP(熱設計電力) |
95W |
95W |
73W |
ハイパースレッディング機能 |
○ |
- |
○ |
【参考】市場価格差 |
Core i5-650+8,000円前後 |
Core i5-650+1,000円前後 |
- |
DELLで搭載する機種 |
Studio XPS 8100 |
Studio XPS 8100
Inspiron 580 |
Studio XPS 8100 |
Windows エクスペリエンス
Windows エクスペリエンスでの性能比較
CPU名 |
Studio XPS 8100+Core i7-860 |
Studio XPS 8100+Core i5-750 |
Studio XPS 8100+Core i5-650 |
プロセッサ |
7.4 |
7.3 |
7.4 |
Windows エクスペリエンスにおける「プロセッサ」スコアは、Core i7-860とCore
i5-650は同じです。Windows7の基本動作だけを考えると、クアッドコアCPUの恩恵は少ないです。
参考ページ:【3CPU対決! その1】 Windows7の快適性を示すWindowsエクスペリエンス値
PCMARK05
PCMARK05での性能比較
CPU名 |
Studio XPS 8100+Core i7-860 |
Studio XPS 8100+Core i5-750 |
Studio XPS 8100+Core i5-650 |
PCMark |
10716 |
10209 |
10468 |
CPU |
10189 |
9480 |
9040 |
Memory |
10985 |
9935 |
7566 |
Graphics |
14429 |
13876 |
15823 |
全体的にCore i7-860が強いです。「Graphics」スコアについてはCore i5-650が上です。
参考ページ:【3CPU対決! その2】 実作業での快適さを測定する「PCMARK05」
PCMark Vantage
PCMark Vantageでの性能比較
比較対象 |
Studio XPS 8100+Core i7-860 |
Studio XPS 8100+Core i5-750 |
Studio XPS 8100+Core i5-650 |
備考 |
PCMark Suite |
9003 |
8673 |
8776 |
総合スコア。数値が高いほど、デジタルコンテンツ系処理に強い。 |
Memories Suite |
6912 |
6598 |
6321 |
拡大/反転/回転といった高解像度画像の処理&画像ファイルのインポート処理を計測。 |
TV and Movies Suite |
5853 |
5295 |
4742 |
Windows Media CenterからのHDDアクセス&HDコンテンツ付きVC-1形式HD DVDの再生処理を計測。 |
Gaming Suite |
9694 |
8948 |
7465 |
ゲームにおけるCPUの処理&同HDDの処理処理を計測。 |
Music Suite |
8024 |
7091 |
7002 |
Webページのレンダリング,MP3形式→WMA形式のサウンドファイルトランスコード&HDDからWindows Media Playerへ音楽ファイルを追加する処理を計測。 |
Communicati Suite |
7361 |
7288 |
10946 |
データの暗号化、データの圧縮&Windows Mailのコピー処理を計測。 |
Productivity Suite |
7509 |
7221 |
6647 |
テキスト編集する処理やWindowsのファイル検索、Windows Mailの検索、Webページのレンダリング&HDDからのアプリケーション読み出しする処理を計測。 |
HDD Suite |
5351 |
5143 |
5390 |
ハードディスクの速度を計測 |
クアッドコアCPUのCore i7-860やCore i5-750は画像・動画系テストに強く、デュアルコアCPUのCore
i5-650は軽負荷テストで高スコアです。Core i5-650のCommunicati Suiteスコアが高いのは、AES-NIと呼ばれるデータ暗号化/復号化処理に対応しているからです。普段、このスコア差を感じることはありません。
参考ページ:【3CPU対決! その3】 画像や動画を主用途とする、負荷が重いベンチマーク「PCMark Vantage」
3DMark06
3DMark06での性能比較
比較対象 |
Studio XPS 8100+Core i7-860 |
Studio XPS 8100+Core i5-750 |
Studio XPS 8100+Core i5-650 |
3DMark Score |
16012 |
15874 |
14856 |
CPU Score |
5059 |
4328 |
3508 |
マルチスレッドに対応する最新3Dゲームだと、クアッドコアCPUが強い。
参考ページ:【3CPU対決! その4】 3Dオンラインゲームに対応できる数値を示す「3DMark06」
3DMark Vantage
3DMark Vantageでの性能比較
比較対象 |
Studio XPS 8100+Core i7-860 |
Studio XPS 8100+Core i5-750 |
Studio XPS 8100+Core i5-650 |
備考 |
3DMARK SCORE |
P9651 |
P9093 |
P8702 |
総合スコア。数値が高いほど3Dゲームが快適にプレイできる。CPU以外は同じ条件にも関わらず、スコア差は圧倒的。Core
i7-860以上で決まりです。 |
CPU SCORE |
17874 |
12711 |
9597 |
CPU能力に関するテスト。最近ではマルチスレッド対応のゲームが増えているため、クアッドコアCPUの恩恵を受けることができます。将来対応としてもおすすめ。 |
CPU TEST 1 |
2529.45 |
1782.53 |
1319.57 |
CPU TEST 2 |
22.29 |
16.26 |
12.93 |
ビデオコントローラだけでなくCPUに高い描画能力を必要とする重量級3Dゲームでは、Core
i7-860が一押しです。
参考ページ:【3CPU対決! その5】 重量級の最新3Dゲームベンチマーク「3DMark Vantage」
Superπ
Superπでの性能比較
比較対象 |
Studio XPS 8100+Core i7-860 |
Studio XPS 8100+Core i5-750 |
Studio XPS 8100+Core i5-650 |
処理にかかった時間 |
1分3秒(63秒) |
1分8秒(68秒) |
1分8秒(68秒) |
動作周波数の高さだけでなく、コアに余裕があるクアッド上位CPUが強い。
参考ページ:【3CPU対決! その6】 CPUの処理速度を測定する「Superπ」
Capture NX2
Capture NX2での性能比較
比較対象 |
Studio XPS 8100+Core i7-860 |
Studio XPS 8100+Core i5-750 |
Studio XPS 8100+Core i5-650 |
Capture NX2でRAWファイル100枚をJPEGに変換する処理時間 |
3分14秒(194秒) |
3分17秒(197秒) |
3分29秒(209秒) |
クアッドコアCPU非対応のアプリケーションでもこれだけの差が確認できました。完全対応アプリであれば、体感レベルで違いが発生するはずです。
参考ページ:【3CPU対決! その7】 デジタル一眼レフで撮影した画像を編集する「Capture
NX2」
TMPGEnc 4.0 XPress
TMPGEnc 4.0 XPressでの性能比較
比較対象 |
Studio XPS 8100+Core i7-860 |
Studio XPS 8100+Core i5-750 |
Studio XPS 8100+Core i5-650 |
TMPGEnc 4.0 XPressで、軽負荷エンコードテスト
DVI(720×480)→DVD形式(720×480)に変換 |
1分25秒(85秒) |
1分28秒(88秒) |
1分54秒(114秒) |
重負荷エンコードテスト
HD(1920×1080)→ブルーレイ形式(1920×1080)に変換 |
0分55秒(55秒) |
0分57秒(57秒) |
1分11秒(71秒) |
マルチスレッド対応のアプリケーションだと、動作周波数よりもコア数/スレッド数が高い方が有利。
参考ページ:【3CPU対決! その8】 動画を他形式に変換する「TMPGEnc 4.0 XPress」
CINEBENCH
CINEBENCHでの性能比較
比較対象 |
Studio XPS 8100+Core i7-860 |
Studio XPS 8100+Core i5-750 |
Studio XPS 8100+Core i5-650 |
備考 |
Single CPU Render Test |
4586 |
4188 |
4445 |
ターボブースト機能の効果があるのか、Core i7-860がNO1 |
Multi CPU Render Test |
17062 |
13768 |
10327 |
マルチスレッドテストになると、8スレッドのCore i7-860が圧倒的に強い |
OpenGL Standard Test |
8326 |
7836 |
6756 |
全体的にクアッドコアCPUが高スコア |
処理完了時間 |
0分53秒(53秒) |
1分4秒(64秒) |
1分25秒(85秒) |
同じ4スレッドのCore i5-750とCore i5-650の処理時間差は約1.3倍 |
8スレッド×100%で処理するアプリでは、最大約1.6倍もの処理時間差が確認できました。
【3CPU対決! その9】 3Dレンダリング性能を測定する「CINEBENCH」
CPU選択のまとめ
できればCore i7-860をおすすめしたい
各種ベンチマークテストでCore i7-860、Core i5-750、Core i5-650の3CPUを比較しましたが、主用途や使用するアプリケーション環境によってはデュアルコアCPUであるCore
i5-650でも十分使えます。定格動作周波数が高いので、まず体感的に遅さを感じることは少ないでしょう。
ですが、コア数/スレッド数の多さが処理速度に比例するマルチスレッド対応ソフトでの作業や、処理負荷が高い画像・動画編集用途になると、クアッドコアCPUであるCore
i7-860やCore i5-750がかなり強くなります。入門デスクトップパソコンを購入するならともかく、
- とにかく性能を重視する
- 画像編集や動画編集が主用途である
- 8スレッド対応ソフトを持っている
- 予算に余裕があり、将来長く使いたい
の1つにでも該当する方は、ぜひともCore i7-860もしくは上位のCore i7-870を狙ってみてください。
マルチスレッド対応アプリケーションであれば、8スレッドの爆速処理が可能。体感的にも大きな処理速度差を感じることができます。
3Dグラフィックのレンダリング計算を8スレッドで100%全開で計算している状態。こうなると4スレッド動作しかない下位CPUでは物足りなさを感じるかもしれません。今後さらにマルチスレッド対応ソフトの割合が増えるでしょうから、先行投資でCore
i7を強くおすすめします。
重負荷作業になると物足りないCore i5-650
今回の比較記事では、ハイエンドなCore i7-860との比較なので厳しい評価となっていますが、省電力性も高くコストパフォーマンスは悪くありません。Core
i5-650は、デュアルコアCPUながらハイパースレディング機能により4スレッド動作しますので、従来のCore
2Duoシリーズよりも遙かに高性能です。
定格動作周波数が3.20GHzと高いので、作業負荷が比較的軽いインターネットやメール、音楽CD視聴、画像管理、映画視聴などの用途であれば、上位CPUとの差を感じることはほとんどないです。将来、Studio
XPS 8100においてCore i5-650が安くカスタマイズできるようになれば、選択の余地はあると思います。
マルチスレッドに対応していないアプリケーション環境であれば、定格動作周波数が高いCore
i5-650を狙う価値はあり。ただ、Studio XPS 8100を購入することが前提では、最低でもCore
i7-750でないと恩恵が受けづらいかもしれません。
Core i5-750を狙うならInspiron 580も選択肢に
デュアルコアCPUであるCore i5-650と違い、全体的に安定したベンチマーク結果となったのがクアッドコアCPUのCore
i5-750です。ネイティブ4コアCPUなので重負荷作業でも性能低下が少なく、コスト的にも安価なのでお買い得です。CPU単独でのコストパフォーマンスを比較すると、Core
i7-860を押さえてCore i5-750が一番かもしれません。
ただし、この記事を書いている2010年5月3日現在では、Studio XPS 8100(DELL公式ページ)でCore i7-860を中心とした割引限定パッケージが中心なので、Studio
XPS 8100+Core i5-750の組み合わせはイマイチです。ベンチマークテストにおいても、スコアがCore
i7-860よりも全体的に約1〜2割ほど低いので、どうしてもCore i5-750を狙いたいなら下位機種のInspiron 580との組み合わせも検討してみてください。
DELL公式サイト 製品ページリンク
最新Core i7/i5搭載のDELLハイエンドデスクトップ Studio XPS 8100。
詳細はStudio XPS 8100(DELL公式ページ)をご参照ください。
【3CPU対決! その9】 3Dレンダリング性能を測定する「CINEBENCH」<< >>【最強対決! Core i7-870 VS Core i7-860 序章】 最上位であるCore i7-870の性能が気になる
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